第61章

温井紗理奈は照れくさそうに笑って、素直に頷いた。

「そうですね。もう慣れちゃいました。小さい頃は京也さん、よく私を乗馬に連れてってくれたり、数学の宿題を見てくれたりしたんです。私が地方に進学してからは、連絡も少なくなりましたけど」

そう言いながら渡部綾香へ視線を移す。澄んだ、害のない目。

「渡部さん、誤解しないでくださいね。私たち、ただの友だちです。でも京也さんって、昔の縁を大事にする人で……前の友だちのことも、けっこう面倒見てくれるんです。こないだ会社でちょっと揉めたときも、京也さんが間に入ってくれて、話をつけてもらって」

説明しているようで、言葉の端々が「ただの友だち」ではないこ...

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