第81章

ゲーチは、口の中に苦いものが広がるのを感じた。

もちろん、鈴宮京也に真正面から逆らう度胸などない。あの組長に背いた末路は、死ぬより惨い。

だがかといって、村宮に本当に私刑を加える胆力もなかった。

村宮本人はどうしようもない道楽者のクズで間違いない。けれど背後の村宮家は、そう簡単に踏みつけられる相手じゃない。村宮様は市役所にそれなりの実権を持ち、人脈も広い。

もし村宮を半身不随にでもしたら、村宮家は必ず狂ったように報復してくる。鈴宮京也は痛くも痒くもないかもしれないが、実行役のゲーチは格好のサンドバッグ――生贄だ。

どちらへ転んでも、刃の山。

冷汗が、また背中を濡らした。

ゲーチ...

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