第1章

暗い部屋の中、男の熱い息が女の首筋にかかる。

松本絵里はドアに押し付けられ、無理やり頭を仰け反らせられ、男の強引なキスを受け入れるしかなかった。

松本絵里は男を押しのけようとしたが、男はすでに彼女の服を引き裂き、白い乳房を手に取って弄んでいた。

「金をやる」男は言った。「俺とやらせろ」

まるで売春婦扱いしているのか？松本絵里の心に羞恥が走ったが、返事をすることはできなかった。

彼女の太ももは強制的に開かれ、男の手が湿った隠れた柔软を触り、荒い息を吐きながらちんちんを取り出し、乱暴に挿入した。

男は締め付けられて呻き声を上げ、松本絵里の口を塞ぎ、しばらく適応した後、力強く腰を突き動かした。

男の抽挿は狂ったように速く、松本絵里の頭は真っ白になり、ただこの痛みと快楽の交じった性行為に引き込まれるしかなかった。

どれくらいの時間が経ったのか分からないが、松本絵里はゆっくりと目を開けた。

浴室では男がシャワーを浴びていた。

松本絵里は体を動かそうとしたが、全身が酸っぱくて動けず、下半身は腫れて痛みがひどかった。

彼女は心の中で罵った。この男は馬鹿か？

松本絵里は男と顔を合わせることを恐れた。自分は婚約を解消しに来たはずなのに、どうしてこんなことになってしまったのか？

彼女は自分の服を見つけて急いで着替え、事が起こる前に男が言ったことを思い出し、怒りを覚えながらバッグから小銭を取り出し、眉ペンで白紙に一言書き残してから立ち去ろうとした。

その時、廊下から足音が聞こえてきた。

誰かが話している。「坂田様、こんな風に入ってはいけません」

松本絵里は驚いて信じられなかった。

もし外にいるのが本物の坂田光なら、さっき彼女と寝たのは誰だったのか？

彼女と坂田光は婚約者同士なのだ！

彼女はそのまま外に出ることはできず、振り返って一瞥し、窓辺に向かい、5階から窓沿いと水道管を伝ってゆっくりと降りた。

地面に降り立った時、松本絵里はほっと息をついた。

五年前、彼女は松本家の命令で妹の代わりに五年間刑務所に入ることを強いられた。

「私たちの言う通りにしていれば、出所後も松本家のお嬢様でいられるし、お母さんも無事に暮らせる」

しかし、松本絵里が出所した時、松本家は約束を守らなかった。

母親にさえ会わせてもらえなかった。

妹の松本七海はさらに彼女を脅し、婚約者と婚約を解消しなければ、一生母親に会えないと言った。

彼女の婚約者は坂田家の後継者、坂田光だった。

松本絵里は同意したが、おばあさんの高橋花子はさらに過酷な要求を突きつけた。

三日以内に婚約を解消し、その後すぐに別の人と結婚すること。

これは彼女を追い詰めるためのものだった。

しかし、松本絵里には選択肢がなかった。母親を松本家から連れ出すためには、同意するしかなかった。

急いで坂田光の住居を訪れた。

人や監視カメラを避けて、階上に上がった。

しかし、その後、あのような予期せぬ出来事が起こった。

知らない男と関係を持ち、婚約者に見つかりそうになった。

松本絵里は少し狂いそうだった。

彼女の状態は非常に悪かった。初めての性行為があのように激しく、少し動くだけで裂けるような痛みを感じた。

さらに、先ほど5階から降りてきたばかりだった。

彼女はふらふらと立ち上がり、自分を整えようとしたが、遠くで人々が騒いでいるのに気づいた。

「誰か応急処置ができる人はいませんか？早く助けて！」

「119に電話して！」

松本絵里は近づいてみると、人々が囲んでいる中央に老人が倒れているのが見えた。

彼の表情は非常に苦しそうで、体を丸めていた。

老いた手で心臓を押さえ、全身が無意識に痙攣していた。

状況は非常に緊急だった。

松本絵里は周囲を見渡し、誰かが救急車を呼んだかどうかを確認した。

携帯電話を取り出しながら、冷静に周囲の人々に言った。「皆さん、あまり近づかないで、空気の流れを保ってください」

救急車が出発したという知らせを受けると、松本絵里はすぐに老人を正しい姿勢に整え、専門的な心肺蘇生を行った。

何度も何度も圧迫を繰り返し、老人の病状は少しずつ緩和され、先ほどのような恐ろしい状態ではなくなった。

松本絵里はほっと息をつき、老人の心拍が徐々に落ち着いているのを確認して安心した。

このような急病の場合、患者は通常、応急薬を持ち歩いている。

松本絵里は老人の外衣を探り、小さな薬瓶を見つけた。

誰かが彼女の動きに気づき、親切に自分のミネラルウォーターを差し出した。

松本絵里は「ありがとう」と言い、薬を二錠取り出し、老人の頭を自分の膝に乗せて薬を飲ませた。

救急車が到着し、老人が車に乗せられるのを見届けた後、彼女は立ち上がり、戻ることにした。

彼女も疲れていた。

もう余計なことはしたくなかった。

自分の身分を伝え、証明できる信物を相手に渡し、坂田光に会いに来るように伝えてもらった。

彼女はロビーで休んでいた。

その頃、坂田光はちょうど松本絵里がいた部屋にいた。