第120章

薄暗い照明が灯る小さな居酒屋。そこには、温かくも賑やかな空気が満ちていた。

私は平沢雪乃の手をぎゅっと握りしめ、満面の笑みを浮かべた。

「ううん、平気よ。雪乃がいなかったら、私、今頃どうなってたかわからないもの。それにね、今の私、結構イケてるのよ? 氷川亜紀からの慰謝料も入ったし、鈴木グループの売却益も手に入れたし……へへっ、今の私は正真正銘、セレブなんだから! 私がどれだけウハウハか、あんたたちには想像もつかないでしょ?」

私は二人に顔を寄せ、耳元で声をひそめて囁く。その瞳は興奮でキラキラと輝いていたはずだ。

一息ついて、私はさらに言葉を継ぐ。

「でもね、もっと稼ぐの。東英法律事...

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