第123章

「本気か?」

青木易揚とて、易々とやられるような玉ではない。山本翔一が手を出したと見るや、彼は躊躇なく拳を振るった。上背も体格も山本翔一の方が勝っているが、彼は腰腹部に傷を負ったばかりだ。青木易揚の一撃を食らっただけで、激痛に顔を歪めてその場に尻餅をついた。

だが、その一撃が逆に山本翔一の負けん気に火をつけた。

彼は腰を固く押さえ、脂汗を滲ませながら必死に立ち上がる。そして青木易揚の隙を突き、渾身の力を込めてその腹を蹴り上げた。不意打ちを食らった青木易揚は二、三歩後退り、驚きと苦痛を顔に浮かべてよろめく。しかし山本翔一もまた、無理が祟って無様に崩れ落ちた。

それを見た青木易揚...

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