第14章

私は暗い部屋に座り、気分は最悪だった。外では山本翔一の声がだんだん焦りを増し、ドンドンとドアを叩いていた。

どこかの親切な隣人が通報したのか、警察と山本翔一がドアの外で話し合っている。

防音がよすぎて、彼らが何を言っているのか聞き取れない。二日酔いで頭が割れそうに痛い。

山本翔一はまたドアを叩き、まるで私が開けるのを確信しているかのような様子で、

「静香、話し合おう」

警察が来る前、彼はずっとパスワードを試していたが、一向に成功しなかった。

私は思う、もし彼が私のことを少しでも大切に思っていたら、私のパスワードが何か分かるはずなのに。

「鈴木さん、このままドアを開けないなら、ご...

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