第223章

佐藤国芳と佐藤美咲が山本康夫の車椅子を押して去った後、山本翔一もまた、山本伊織の手を引いて檀上を降りてきた。

それまで様子を窺っていた賓客たちが、待ってましたとばかりに二人の周りに集まり、談笑の輪が広がる。

その瞬間、忌々しい記憶が不意にフラッシュバックした。かつて山本翔一は、ああして私の手を引き、賓客たちの間を縫うように歩いていたのだ。

だが、時は移ろい、人は変わる。おそらくここにいる客たちは、かつて山本翔一の隣に私がいたことなど、とうに忘却の彼方だろう。

これ以上、この場所に留まる意味はない。私もそろそろ引き上げることにした。

宴会場を出るや否や、佐藤美咲に呼び止められた。

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