第310章

一晩中、会社の貨物詳細、税関の押収書類、そして身の潔白を証明できるあらゆる資料を片っ端から整理し、分類し、何度も見直した。ようやく少しだけ安心できたのは、空が白み始めた頃だった。

翌朝、私は税関ビルへ向かった。対応に出たのは、氷のように冷淡な態度の役人だった。

腹の底から湧き上がる苛立ちを必死に抑え込み、根気強く、極めて詳細に貨物の状況を説明する。だが、彼はのらりくらりと躱すばかりで、「書類に不備がある」と繰り返すのみならず、脱税の疑いまでかけてくる始末だ。

裏に何かあるのは明白だった。誰かの差し金か……事態はそう単純なものではないらしい。

会社に戻った私は、板挟みになっていた。

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