第345章

貨物船に乗り込んだあとも、激しい戦闘は続いていた。

大前恭也は数人の誘拐犯に完全包囲されていたが、その顔に臆する色は微塵もない。敏捷な狩人のようにしなやかに敵の間を縫い、翻弄していく。

横合いから猛然と組み付こうとしてきた男に対し、大前恭也の反応は速かった。鋭く身を翻し、鉄槌のような膝蹴りを胸板に叩き込む。男はたまらず後方へ吹き飛んだ。

同時に、その手にある銃も飾りではない。威嚇射撃を空へ放つと、他の男たちはその音に縮み上がり、うかつに動けなくなった。

だが、刻一刻と過ぎる時間は、大前恭也の体力を確実に削り取っていく。

動きが鈍り、呼吸が荒くなる。その変化を、殺気立った男たちが見逃...

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