第367章

ベンチに座っている私と平沢雪乃を見つけるなり、里弥の瞳がぱっと輝いた。彼女はちぎれんばかりに手を振ってくる。

私と平沢雪乃は立ち上がり、里弥の方へと歩み寄った。

「ママ! 雪乃おばちゃん!」

幼稚園の門前に、鈴を転がすような愛らしい声が響く。周囲の保護者たちが振り返り、微笑ましげな視線を送ってきた。

私は慌ててしゃがみ込み、両腕を広げて、胸に飛び込んでくる里弥をしっかりと受け止める。

里弥は私の首にぎゅっとしがみつき、小さな頭を肩にすりすりと押し付けてくる。やがて彼女は平沢雪乃の方を向くと、小さな手を差し出した。

「雪乃おばちゃんも、里弥を抱っこして」

平沢雪乃は満面の笑みを浮...

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