第368章

山本翔一は私が顔色を変えたのを見て取ると、その瞳に焦燥を滲ませ、慌てふためくように弁解を始めた。

「静香、聞いてくれ。騙すつもりなんてなかったんだ。メンタルクリニックでボランティアをして、家庭崩壊の痛みを目の当たりにして……俺がどれほど大切なものを失ったか、ようやく気づいたんだ。心の病を抱えた子供たちを救いたいと思うのは、昔の自分を救うようなものだから。だからこそ、里弥には俺のような想いをしてほしくない。日に日にあの子への想いが募るんだよ。静香、やり直したい。お前と里弥に、完全な家庭をあげるために」

山本翔一の言い分など耳に入れたくもなかったが、彼は堰を切ったように言葉を継いだ。

「ど...

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