第372章

中村宗祐の腕が、不意に私の肩を抱き寄せた。

力強いけれど、壊れ物を扱うような慎重さで制御されたその腕。彼はふわりと、私をその懐へと引き入れた。

瞬間、彼から発する温かな気配が私を包み込み、その温度が肌から心の奥底へと沁み渡っていく。ほぼ同時に、彼の唇が私の頬に触れた。羽のような軽さ、それでいて火傷しそうなほどの熱を帯びて。

あまりに突然の親愛の情に、私は全く身構えていなかった。身体が強張り、筋肉が瞬時に硬直する。頭の中が真っ白になった。思考するよりも早く、反射的に顔を背けてしまう。まるで、その淡い口づけが、私には支えきれない重荷であるかのように。

時が止まったかのような静寂。圧迫感が...

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