第373章

里弥の髪を優しく撫でていると、彼女が顔を上げた。その瞳には期待の色が滲んでおり、甘えるような声で私に問いかけてくる。

「ママ、中村おじさんはいつまた来てくれるの? 新しいお話をしてくれるって約束したもん」

里弥の元気が戻りつつあるのを見て、私の心も晴れやかになっていく。私は人差し指で彼女の小さな鼻をちょんとつつき、微笑んで答えた。

「おじさんのお仕事が終わったら、きっとすぐに会いに来てくれるわよ」

里弥が嬉しそうに声を上げて笑う。その無邪気な響きが部屋に満ち、少し重苦しかった空気に温かな彩りを添えてくれた。

その時、突然チャイムがけたたましく鳴り響いた。

私は訝しんだ。こんな時間...

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