第374章

喫茶店を出ると、黄昏時の淡い光が通りに降り注いでいた。無意識に腕時計へ視線を落とし、そこで初めて、ずいぶんと長い時間が過ぎ去ってしまったことに驚く。

ふと、中村宗祐と大前恭也が、今も鈴木グループの会議室で提携案の策定に追われていることを思い出した。なぜだか分からないけれど、私は何かに操られるように平沢雪乃の方を向き、口を開いた。

「雪乃さん、もうこんな時間よ。宗祐さんも大前さんも、会社で詰めてるはずだわ。迎えに行ってみない? ついでに夕食も一緒にどうかしら」

平沢雪乃は片眉を上げ、一瞬だけ驚いたような表情を見せたが、すぐに笑顔で頷いた。

「いいわね。どうせ弁護士事務所に戻っても、恭也...

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