第396章

「弁護士事務所にいるの。でも、外に不審な人たちがうろついている気配がして、出られない……!」

平沢雪乃が涙声でそう訴えた。

電話が切れると、焦燥感が胸を焼き尽くす。

私はハーヴィーを見つめた。瞳には隠しきれない焦りが滲んでいたはずだ。

「ハーヴィーさん、親友の平沢雪乃が危険なの。助けに行かないと」

私の様子を見たハーヴィーが、心配そうに声をかけてくる。

「静香、緊急事態のようだな。私の助けは必要ないか? この辺りの地理には明るい。何かの役に立てるはずだ」

私は努めて冷静さを保ち、しかし意志を込めて首を横に振った。

「ハーヴィーさん、お気遣いありがとうございます。ですが、今回は...

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