第402章

野村利樹が去った後、私はその場に立ち尽くした。頭の中は真っ白で、心はまるで調味料の瓶をひっくり返したかのように、怒り、失望、葛藤が一度に押し寄せてくる。遠ざかる彼の背中を見つめながら、私は拳を固く握りしめた。爪が掌に深く食い込む痛みが、どうにか私を冷静にさせようとしていた。

突然、バッグの中で携帯電話が狂ったように震え出し、耳障りな着信音が静まり返った空気を切り裂く。苛立ちながら画面に目をやると、意外なことに山本翔一からだった。

「もしもし、静香か。おい、聞いたか? さっき葉田水奈からメールが来たんだが、中身が野村利樹に関することなんだ。かなりヤバい状況みたいだぞ」

受話器の向こうから...

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