第405章

私は小走りで山本翔一と里弥に追いついた。私が来るのを見て、里弥の瞳が瞬時にぱあっと輝きを帯びる。小さな手をちぎれんばかりに振りながら、鈴を転がしたような愛らしい声が高らかに響いた。

「ママ、早くぅ! こっち来て、一緒に!」

子供特有の無邪気な笑顔は、まるで春の陽だまりのよう。私の心に残っていた澱のような陰りを、一瞬にして吹き飛ばしてくれた。

山本翔一も足を止め、振り返って私を見つめる。その瞳に一瞬だけ驚きの色が走ったが、すぐに喜びへと塗り替えられた。口元が自然と緩み、柔らかな弧を描く。

二人のそばへ歩み寄り、私は山本翔一と示し合わせたかのように、左右から里弥の小さな手を握った。

お...

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