第420章

互いに合意に至ったあと、山本翔一は私の向かいに腰を下ろした。私たちはすぐさま、目前に迫る危機への対応策を練り始めた。

窓の外では黄昏が深まり、薄暗い光が室内をほしいままに侵食していく。それが部屋全体に重苦しい空気を纏わせているようだった。山本翔一は眉間を揉みほぐすと、立ち上がってスイッチパネルに手を伸ばす。「パチッ」という乾いた音と共に照明が灯る。だが、その明瞭な光をもってしても、彼の表情に張り付いた陰りまでは払拭できなかった。平静を装ってはいるが、微かに震える指先が内なる不安を裏切っている。

彼は小さく咳払いをして、努めて平穏な声色を作ろうとした。

「静香、会社の方で少し……状況が変...

ログインして続きを読む