第433章

オルゴールを胸に抱きしめたまま、私は焦燥に駆られて大声で叫んだ。視線の先では、山本翔一がまたあの黒服の男を追おうとしている。

「山本翔一、もういいの! オルゴールは取り返したじゃない! これ以上危険を冒す必要なんてないわ!」

山本翔一は走りながら、ちらりと私を振り返っただけだ。彼は歯を食いしばり、その隙間から憎々しげに言葉を絞り出す。

「あの野郎、ナメた真似しやがって……今日という今日は絶対に逃がさん!」

その瞳には、かつて見たことのないほどの怒りの炎が燃え盛っている。あの執念深さを見るに、ここで止めても無駄だろう。言い捨てると、山本翔一は黒服の男が消えた闇の奥へと飛び込んでいった。...

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