第435章

激しい雨が降り注いでいた不幸中の幸いと言うべきか、火災だけは免れた。そうでなければ、私たちは全員、炎の海に葬られていただろう。

騒ぎが収まると、黒く焦げたUSBメモリが、どこからともなく私の足元に弾け飛んできた。私は何も考えず、すぐにそれを拾おうと身を屈めた。

「そのUSBに触るな!」

山本翔一が猛然と手を伸ばし、私の手首を掴み上げると、喉が張り裂けんばかりに叫んだ。

彼の喉からは、血の混じった苦しげな呼気が漏れ出している。

「……そいつは、罠だ」

不意に、翔一の視線が私の肩越しへ飛び、倉庫の入り口に広がる闇を射抜いた。

釣られて翔一の視線を追うと、入り口の暗がりから一つの影が...

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