第436章

「お前が来る前に、佐藤美咲の自白を録っておいた」

山本翔一は唇を真一文字に引き結び、蒼白な顔でボイスレコーダーを私の手に押し付けた。その声は低く、重い。

「野村利樹があえて俺たちに大前の部下の撤退を見せたのは、俺に濡れ衣を着せるつもりだからだ」

その言葉が落ちるや否や、私のスマートフォンが唐突に震えた。画面に表示された野村利樹の名前が、やけに目に刺さる。

心臓がドクリと跳ねる。一瞬の躊躇いの後、私は通話ボタンを押した。

瞬間、ボイスチェンジャーを通した野村利樹の不気味な声が受話口から響く。

「床の印を見たか? あれはわざわざお前たちのために残した逃走ルートだ」

続いて、ファイル...

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