第438章

二人の警察官が、赤錆の浮いた倉庫の鉄扉を力任せに蹴破った。

瞬間、鼻を突くような強烈な悪臭と澱んだ空気が、堰を切ったように押し寄せてくる。肺の中の空気が無理やり押し出されるような圧迫感に、思わず息が詰まった。倉庫の中は薄暗く、濃密な闇が人を飲み込もうと待ち構えているかのようだ。懐中電灯の光束の中を、巻き上げられた埃が狂ったように舞い踊り、まるで何かの亡霊のように揺らめいている。

その異様な威圧感に全員が足を止めたその時、一人の警察官が手探りで壁のスイッチを見つけた。

「パチッ」

乾いた音が響き、天井の古ぼけた照明が頼りなく明滅した後、黄ばんだ光を灯した。光は闇の一部を払いのけたが、そ...

ログインして続きを読む