第439章

野村利樹は私の姿を認めると、その瞳に一瞬、複雑な色を宿した。驚き、未練、そして微かな後悔。だが、瞬きする間にその光は冷え切ったものへと変わる。

「静香、どうして俺と一緒になってくれないんだ」

私は唇を噛み締め、焦燥に駆られながら必死に訴えかけた。

「野村利樹、もう馬鹿なことはやめて。自分のしていることを見てよ。間違いを重ねるだけだわ。引き返して! 今やめれば、まだやり直せる」

倉庫内は死のように静まり返り、私の声だけが虚しく響く。

警視庁の隊長が声を潜め、通信機に向かって短く命じた。

「追跡モード起動。隠蔽信号源を逆探知しろ。爆発前に野村利樹の位置を特定するんだ。奴には絶対に悟ら...

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