第440章

警備隊長が渾身の力で救急車のドアを叩きつけた。ズドンという重く鈍い金属音が鼓膜を震わせると同時に、空気を劈くようなサイレンが周囲の静寂を食い破る。一触即発のその瞬間、頭上から重苦しい轟音が降り注いだ。

見上げれば、一機の銀灰色のヘリコプターが交差点の上空にホバリングしている。キャビンのドアは大きく口を開けていた。

直後、機内から野村利樹の狂気じみた高笑いが響き渡った。

「健闘を祈るよ!」

ボイスチェンジャー特有のノイズが混じったその声は、拡声器を通して路面のガラスをビリビリと震わせる。

艙口に突如として現れた蒼白な顔――野村利樹、その人だった。黒いトレンチコートの裾が、強烈なダウン...

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