第445章

ドアを押し開けると、玄関の人感センサーが反応して明かりが灯り、暖色の光の粒子と共に懐かしい夕食の香りが漂ってきた。ドアノブを握る私の手は、微かな震えが止まらない。山田はやはり暖房を最大にしていたらしく、金属製のノブでさえ火照るように熱を帯びていた。

冷蔵庫の扉には、里弥が描いた親子三人の絵が、虹の形をしたマグネットでしっかりと留められている。画用紙の端には、クレヨンで「大好きなお父さんとお母さんへ」と書き添えられていた。何度も何度も上からなぞったのだろう、その文字は層を成し、ひときわ色濃く浮き上がっている。

無意識に指先で画用紙を撫でていると、不意にクリスタルのドレスの肩紐がずり落ちた。...

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