第44.5章

軽快な足音が聞こえてきた。

「お兄さん〜あっ!鈴木静香、あなたたち何してるの?!」一瞬にして、私の心は重い鎚で打たれたように感じ、頭は真っ白になり、体も固まった。その瞬間、時間が凍りついたようだった。佐藤美咲の顔は青ざめ、唇は微かに震えていた。彼女の視線は私と山本翔一の間を行ったり来たりし、目には複雑な感情が満ちていた。私は自分の頬が熱くなるのを感じた。

地下室の中の情熱は一瞬にして打ち破られ、代わりに終わりのない気まずさと不安が訪れた。佐藤美咲は一瞬黙り込み、それから振り返って走り去った。

佐藤美咲が振り返って走り去った瞬間、私の心はどんと沈んだ。恥ずかしさが潮のように私を包み込んだ。...

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