第464章

歓声と笑い声がまだ耳元に響き、病室の空気にはほのかな甘い香りが漂っている。突然、控えめなノックの音がその温かな雰囲気を打ち破った。

看護師がドアを押し開け、制服姿の警察官二人を連れて入り口に立った。先頭に立つ中年の警察官は厳格な面持ちで、鋭い視線を放っている。彼は警察手帳を取り出し、落ち着いた力強い声で言った。

「刑事課の井上です。お二人に少しお話を伺いたいのですが」

その言葉を聞いた瞬間、私は手にしていたウェットティッシュをぐしゃりと握りつぶした。前回、野村利樹の手下が警察官に扮して病室に押し入ってきた光景が、脳裏に鮮明に蘇る。

私と山本翔一は視線を交わした。彼の強張った顎と微かに...

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