第52章

夜、パーティーを終えたばかりで、まだ心は楽しさと感動に浸っていた。家に入るとすぐに携帯が鳴った。母の松本陽子からだった。

「静香、一晩中どこへ行ってたの?電話も出ないし、私と翔一がどれだけ電話したと思ってるの!」

母の声はとても大きく、明らかに怒りを含んでいた。思わず携帯を耳から少し離した。

胸に溢れていた熱い気持ちが一瞬で消え去り、不満げに言った。

「今日は同窓会に行ってたの。外がうるさくて聞こえなかっただけよ。もう子供じゃないんだから、いちいち報告しなきゃいけないの?」

母は私がどこに行っていたかを追及するのをやめ、声を張り上げた。

「美咲が拘置所で病気になったから、すぐに病...

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