第7章

山本夫人は嬉しそうで、家族全員が和気あいあいとしていた。食後、彼女は部屋からエメラルドグリーンの翡翠のイヤリングを一対取ってきて私にくれた。

「お母さん、ひいきしすぎ……」佐藤美咲が私と佐藤国芳の間に割り込み、佐藤国芳の腕を引っ張って甘えた。

私は目の前の化粧の綺麗な佐藤美咲を見て、心の中で嫌悪感が湧いてきた。

「お母さん、美咲にあげましょう。彼女も欲しがっているみたいだし、後で私にねだられるのも面倒ですから」私は惜しむふりをして、イヤリングを佐藤美咲に渡した。

皆は私の行動に続いて、佐藤美咲のかすかに嫉妬の浮かぶ顔を見た。

山本夫人は佐藤美咲の肩を軽く叩き、またイヤリングを取って...

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