第5章

夕方、和人の車が私のアパートの下に停まっていた。

三度も着替え、最終的にシンプルな白いワンピースに落ち着いた。フォーマルすぎてもいけないし、カジュアルすぎてもだめ。これが何なのか、私には分からなかった。デート? それとも就職の面接?

私の姿を見た和人は、目を輝かせた。「綺麗だね」

そんな褒め言葉に、私は頬を染めた。拓真は私を綺麗だなんて一度も言ってくれなかった。彼が口にするのは、いつも私の足りないところばかりだったから。

私たちは車で月見浜海岸へ向かった。夕日が沈みかけ、海面は金色の光でキラキラと輝き、すべてが絵画のように美しかった。

レストランは海沿いに建てられていた...

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