第105章 みんな彼女を探している

時川樹はぴたりと動きを止め、その一瞬で時川啓文の意図を悟った。

――つまり、多少は角が立つ役回り。だからこそ啓文おじさんは、自分で表に立ちたくないのだ。

それでも、啓文おじさんに取り入れるためには断れない。厄介な仕事だと分かっていても、引き受けるしかなかった。

「承知しました。明日の朝いちで松本家へ伺い、松本希実さんをお連れして鑑定に」

本音を言えば、今すぐ松本霞澄を探したかった。

なぜか胸騒ぎが消えない。霞澄は宴会場で会うと約束したのに――まさか、また反故にするとは思えない。だとすれば、何かあったのではないか。

そう考えるほど焦りが増し、どうしても本人の無事を確かめたくなる。

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