第111章 私はたぶん君のおじさんの実の娘です

有効な手がかりは得られなかったとはいえ、松本霞澄には、松本希実がなぜ可愛がってくれた実の両親を捨て、いまさら「父親」を名乗る相手のもとへ行こうとするのか、おおよその見当がついた。

――評判が地に落ちた。だから別の身分にすり替えて、やり直したい。それだけだ。

あの子はほんの少しの苦労すら耐えられない。となれば、実父の権勢と財産は、十中八九、松本家の上。

だからこそ、なおさら――松本希実の思い通りにはさせない。

そう決めた霞澄は、佐野静に連絡を入れ、昨夜の宴会のあとで何か「追加のネタ」がなかったか聞いてみた。

案の定だった。

佐野静はほとんど間を置かずに電話をかけ返してくる。

「霞...

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