第123章 俺の許しなしに、離れるな

松本霞澄は悟った。――自分は、完全に弄ばれている。

ちょうどそのとき、総務の人間がデスクを一台運び込んできて、恭しく尋ねた。

「緒方社長、机は……やはり入口付近に置きますか」

緒方廷治は首を横に振り、自分のすぐ隣を指差した。

有言実行にもほどがある。これじゃ、霞澄がスマホを見ているだけで、彼は少し目を上げるだけで画面までくっきり覗ける距離だ。

松本霞澄は腹を括って、そこに座った。

パソコンも何もかも新品で支給されている。起動した瞬間、例の――あの忌々しい、妙に距離の近い寝顔写真がまた表示され、霞澄は思わず息を呑んだ。

「っ……!」

慌てて壁紙を変更し、振り向きざまに緒方廷治を...

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