第125章 女連れは添い寝まで?

口にした途端、緒方廷治はどこか既視感を覚えた。だが今は、それを掘り下げている場合じゃない。

保坂昭江が再び場を掌握し、落ち着き払って言う。

「もうすぐ三十になる男が、結婚の話を急ぐのは当然でしょう?」

緒方廷治は鼻で笑った。

「はいはい。言いたいことは分かった。他に用は?」

保坂昭江の視線が、例の本棚へと滑る。声音には露骨な蔑みが混じっていた。

「結婚する身なら、ふざけるにも限度があるわ。明珠と婚約が決まったら、あの女たちは全部片づけなさい。いいわね?」

「……あの女たち?」

その言い方が可笑しくて、緒方廷治は思わず笑った。

「俺を何だと思ってるんです? 江口惟純じゃあるま...

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