第128章 篠崎文禾との再会

緒方廷治は無表情のまま、松本霞澄を助手席へ押し込んだ。

「いい度胸だな。俺の目の前で嘘をつくとは」

責め立てるような口調に、霞澄の胸の奥で怒りが煮え立つ。

――そもそも、この飲み会に無理やり連れてきたのは彼だ。自分を囲い込んで、傍から離さなかったのも彼だ。だからこそ、今日みたいな屈辱を味わう羽目になった。

けれど霞澄は分かっている。今の緒方廷治は、理屈が通じる相手じゃない。

霞澄はぱっと花が咲くように笑った。

「あなたも、私の嘘を暴かなかったじゃない。あそこで止めてくれなかったら、本気であんな量、飲ませるつもりだったの?」

緒方廷治は、こんなふうに小悪魔めいた霞澄を久しく見てい...

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