第144章 お前は彼女の身代わりになる資格はない

新谷父は、ようやく整えた機嫌がまた沈みかけていた。新谷母に至っては信じられないとばかりに甲高い声を上げる。

「今月28日ですって? 今日はもう4日よ。準備期間、20日ちょっとしかないじゃない!」

緒方廷治は迷いなくうなずいた。

「20日あれば十分です。俺も……今までの自分が間違ってたって分かった。早く明珠を家に迎えて、償いたいんです」

その二言で、新谷明珠はすっかり舞い上がった。すぐ母に向き直り、弾んだ声で言う。

「私も十分だと思う。そもそも盛大な結婚式なんて、意味ないし疲れるだけだもん。私たちがちゃんと幸せに暮らせばいいでしょ」

恋に溺れたような発言に、隣の新谷宗が我慢できず身...

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