第145章 松本霞澄の情報がある

緒方廷治と新谷明珠の婚約発表会は、翌日の14時30分、緒方グループ本社の会議室で行われることになっていた。

両家はあらゆる伝手を総動員し、名の知れた記者を大勢呼びつけた。広々とした会議室は、開始前から人でぎっしり埋まっている。

控室で顔を合わせたとき、緒方廷治の気持ちはまだ平静だった。――新谷明珠の服装を見るまでは。

彼女は婚約の喜びに浮かれきっていて、彼の表情が曇ったことに気づかない。くるりと一回転してみせ、無邪気に尋ねた。

「どう? 似合う?」

緒方廷治は容赦なく言い切った。

「似合わない。お前にはまったく合ってない」

予想外すぎる答えに、新谷明珠の笑みがぴたりと固まる。

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