第149章 償わせるチャンスをやる

緒方廷治は、恋愛が得意な男というわけではない。

けれど新谷明珠の前では、いつだって余裕があった。彼女の感情を軽々と操れる。

それは人付き合いの技術とは無関係で、ただひとつ――新谷明珠が狂おしいほど彼を慕い、盲目的に恋い焦がれているからだ。

だから彼は、彼女の心を支配できる。

たとえば今もそう。

緒方廷治は、彼女の虚勢がすぐに剥がれることを見抜き、何でもないふうに言った。

「まあ、少しはな。でも今は状況が違う。前に話した件も、もう一度ちゃんと詰め直そう」

新谷明珠の頭の中が、ぐちゃぐちゃになった。

彼女はもともと、顔をいくつも持つタイプの女の子だ。

同性からはよく陰で悪く言わ...

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