第160章 偏った親たち

松本霞澄がM国行きの便に乗ったと知ったあと、羽田絵亜は帝都を離れる算段を立てた。

彼女はフリーの身だ。仕事は場所に縛られない。そもそも帝都へ来たのだって、首都の華やかさに惹かれたのもあるが、いちばんの理由は松本霞澄がいたから――それだけだった。

その霞澄が去った今、絵亜自身もこの街に飽きていた。そろそろ、別の場所で暮らしてもいい。

空港に着くと、絵亜は見覚えのある二人と鉢合わせた。松本霞澄の両親――松本当主と夏目乙美だ。

向こうも絵亜に気づいたらしい。だが、必死に記憶をたぐっている顔を見るかぎり、「どこかで見たような気がする」程度で、霞澄の親友だとはまるで結びついていない。

――あ...

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