第162章 吉報と訃報が同時に

一週間後――。

新谷明珠は急ごしらえのウェディングドレスを身にまとい、幸せそうにベッドへ腰かけていた。緒方廷治が迎えに来るのを、胸を躍らせて待っている。

準備期間は短かった。だが緒方家と新谷家の財力があれば、ねじ伏せるようにそれなりに豪華な式は仕立てられる。

それでも新谷母は、娘が不憫でならないのか、ずっと目元を拭っていた。

「明珠……本当に、あの人でいいの?」

新谷明珠の笑みが一瞬、引きつる。けれどすぐに、困ったように母を見た。

「もう、お母さん。私と廷治、昨日入籍しちゃったんだよ!」

その一言に、ドア口にいた新谷父が固まった。

ずかずかと歩み寄り、声を張り上げる。裏返りそ...

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