第169章 招待状

松本希実は、時川啓文がいきなりその話題を持ち出すとは思っていなかった。ぽかんと固まってから、どうにか笑顔を貼りつける。

「お父さん、1週間考える時間をくれるって言ったじゃない。まだ何日目よ……。ねえ、約束破るの?」

時川啓文は淡々と言い放つ。

「お前が『どうして宴会を開いてくれない』と聞きに来たんだろう。答えはそれだ。妊娠している以上、開けない」

――なんて都合のいい言い訳。

松本希実は、その場で言葉を失った。

時川啓文はそれ以上何も言わず、踵を返して自室へ戻っていく。背中は、隣を歩く時川樹と驚くほどよく似ていた。

松本希実は、胸の奥にぽっかり穴が空いたみたいな孤独を覚える。け...

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