第82章 縁談は無効になる

「――あの子を「片づける」?」

保坂昭江は少し意外そうに眉を上げた。「あなた、どうするつもり?」

彼女より三十歳も年下の若い男のボディガード――周防信。地下の拳闘場で拾い上げた人材だ。顔立ちはやけに整っていて体つきもいい。動きは切れ、腕も立つ。難点があるとすれば、性格が少々向こう見ずなこと。

たとえば今みたいに。

周防信は、昭江の言葉に滲んだ「否」をまるで感じ取らず、目を輝かせて言った。

「方法ならいくらでもありますよ。人の命なんて脆いですし、事故なんていつでも起きる! 水飲んでむせて死ぬかもしれない、飯食って喉に詰まらせて死ぬかもしれない、道歩いてて車に撥ねられるかもしれない。家...

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