第90章 松本霞澄、私のネックレスを盗んだな!

松本希実は、考えれば考えるほど――この一手は妙案だと思えてきた。

松本霞澄がこんな場所までのこのこ来た理由なんて、金持ちが多いからに決まっている。要するに「一発逆転」を狙ってるだけだ。

なら、「泥棒」の烙印さえ押してしまえば、あいつの夢は粉々になる。

本当かどうかなんて関係ない。両親は必ず自分の味方をしてくれるし、とにかくその場の金持ちどもを少しのあいだ騙せればいい。松本霞澄の評判さえ潰せれば、それで十分だ。仮にあとで霞澄が警察沙汰にしたところで、「勘違いでした」で押し切れる。身内同士なら、警察だって深追いなんかしてこない。

そこまで思い描いたところで、希実はパン、と力いっぱい手を打...

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