第92章 あなたに捧げる友情

松本希実と松本霞澄の姉妹がひとたび揉めれば、夏目乙美は理由も確かめず松本霞澄を責め立てる。そんなことが、いつの間にか彼女の癖になっていた。

霞澄の落ち度を探して叱るのは、乙美にとって日常だ。だから口調もすぐに、いかにも正しいことを言っているという調子へ戻る。

「あなたって子は、どうしていつもそんなにみみっちいの! そのネックレス、今すぐ外しなさい!」

近くの招待客たちは、あまりに露骨な言葉に息を呑んだ。けれど松本希実だけは、勝ち誇った顔で霞澄を見上げる。――心が折れて、泣き出す瞬間でも期待しているみたいに。

以前の霞澄なら、きっと傷ついていた。

だが今の彼女は、もう昔の彼女ではない...

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