第98章 松本霞澄を残しておけない

目を背けたくなるような映像は、そこにはなかった。

ただ淡々と映っていたのは、緒方廷治が部屋を出ていく姿と、そのあと年端もいかないような不良たちが、ひとり、またひとりと部屋へ入っていく様子だけだった。

松本希実は、ついに完全に理性の糸を切らした。

その場にへたり込み、わっと声を上げて泣き崩れる。

「廷治! 廷治! どうしてこんなことするの? 私たちの過去は、全部嘘だったの? あの千日を超える時間、あなたは本気で私を想ってくれてたんじゃないの? たとえ私のそばにいてくれなくても、せめて他の男を入れたりしないでよ! 廷治、緒方廷治!」

狂ったように緒方廷治の名を叫び、ふたりの過去まで持ち...

ログインして続きを読む