第8章

 三日後、経済学部のゼミナールにて。

 私は演台に立ち、流暢な英語で自身の研究成果を解説していた。

 プレゼン資料には、びっしりと書き込まれたデータ分析とモデルの推論が並ぶ。

 壇下には教授や学生たちが座っており、時折質問が飛んでくるが、私はそのすべてに余裕を持って答えてみせた。

「素晴らしいよ、キリタニさん」

 指導教員のジョンソン教授が満足げに頷く。

「新興市場の力学に関する君の考察は、非常に洞察に富んでいる」

「ありがとうございます、教授」

「ゴールドマン・サックスからオファーがあったと聞いたが?」彼は笑顔で尋ねた。「受けるつもりかい?」

「まだ検討中です」と私は答え...

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