第231章 命をかけて手に入れたもの

榊原秋が心配するのを、天樹夢子は諭すように言った。「母さん、困難があるからって尻込みはできないよ。私、この社会に生まれて、こんなに良い生活を享受して、恵まれた環境にいるんだから、この社会のために何かしないと!」

自分は良い両親の元に生まれるという幸運に恵まれた。けれど、世の中のほとんどの人は一生懸命努力しても、死に物狂いで頑張っても、彼女の生活水準には到底及ばない。中には、努力する機会さえない人だっている。

天はこれほど自分を顧みてくれているのだから、なおさらこの社会のために何かをすべきなのだ。

榊原秋が口を開く前に、天樹夢子は再び笑みを浮かべて彼女を説得した。「もしみんながそんな考え...

ログインして続きを読む