第35章 失恋しているのか?

 天樹夢子はその言葉を聞いて、途端に顔色を変えた。「失恋? 私はここでちゃんとやってるし、浮気もしてないのに、彼が失恋ってどういうこと?」

 白上流は言った。「相手はあんたじゃないってことだろ」

 ……天樹夢子。

 どうりで最近、陸川北斗が毎日帰ってくるわけだ、と彼女は思った。たとえ深夜であろうと、必ず家に帰ってきた。

 外で嫌な目に遭って、相手にされなくなったということか。

 だから毎日仏頂面をしていたのだ。

 胸の前で両腕を組み、天樹夢子は陸川北斗を見下ろすと、足を上げて彼を蹴りつけた。

「夢子、やめろよ!」白上流は慌てて制止する。「俺の北斗兄さんを蹴り壊さないでくれ。明日...

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