第371章 あなたも眠れないの?

柊木嶋が結婚したと聞き、天樹夢子は少なからず驚いた。彼女は当時、人生に何の希望も見出せず、完全に母親と弟のために生きているだけだったと記憶しているからだ。

柊木嶋をまじまじと見つめ、その満面の喜びを見て、天樹夢子は尋ねた。

「夏目緑?」

その言葉に、柊木嶋は勢いよく頷いた。

「うんうん、夏目緑よ。夢子ちゃんは本当に頭がいいわね、すぐに当てちゃうんだから」

続けて、彼女はこう語った。

「二年前に夏目緑が会社を辞めた時、本当に天が崩れ落ちてくるかと思った。北斗がA市を離れた時でさえ、こんなに怖くはなかったの。たぶん、長年、私が夏目緑に依存しすぎていたからだと思う」

「だからあの日、...

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