第374章 彼のあの二年間

本日、天樹夢子が身に纏っていたのは、やや仕事のできる女性といった印象を与える黒のワンピースだった。夏目緑が立ち上がって挨拶すると、彼女は堂々とした足取りで近づき、彼の向かいのソファに腰を下ろして微笑んだ。「夏目緑、結婚おめでとう。あなたと柊木嶋への結婚祝い、秘書に届けさせておいたわ」

 思いがけず天樹夢子から結婚祝いが用意されていたことに、夏目緑は驚き、そして感動した。彼は慌てて礼を言う。「ありがとうございます、若奥様」

 人付き合いという面において、天樹夢子はいつもそつがなかった。

 夏目緑の丁寧な態度に、天樹夢子は「気にしないで」とでも言うように淡く笑う。それから、注文を取りに来た...

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